房総地域では、江戸時代末期から明治時代にかけて、各地で和算が発達しました。算学の流派の1つである関流の流れをくむ算学家に、香取郡万歳村(現旭市)の花香安精がいます。房総数学文庫は、安精とその一門が収集した和算関係の著作・テキスト類で、和算関係337冊、暦法関係106冊の計443冊からなります。
現物は千葉県立中央博物館に移管されており、図書館ではカラーマイクロフィルムで所蔵しています。
著者 関孝和
「方陣」とは魔方陣を表し、縦・横・対角線の列の数字の合計がどれも同じ数になるもののことである。この書では、各マス目に配置すべき数についての理論が述べられており、3方陣から10方陣までの方陣の例が挙げられている。
著者 林正延
刊行年 正徳4年(1714)
貞享元年(1684)、それまで日本で使われていた宣明暦を廃し、貞享暦が用いられるようになった。貞享暦は、元・明で用いられた暦である授時暦をもとに作られている。江戸時代には授時暦について研究した書が多く出版されたが、そのうちの一書である。