テーマ
「白川静と漢字の世界」
「白川静」を知っていますか?
中国最古の文字資料である甲骨文字を丹念にトレースして漢字の成り立ちや意味を系統立てた博士です。その独自の学説は、1900年もの長い間字源研究の聖典とされてきた後漢の許慎『説文解字』の誤りを指摘するという画期的なものでした。
白川文字学の魅力は、個々の漢字の字義が有機的に関連しあっているところだと思います。一つの解釈から次々と系列字の字義が導き出され、古代中国の国家や習俗のあり方まで、まるでもつれた糸がほぐれるように次々とひもとかれていきます。
博士曰く、
「私が、こうして漢字のことを研究している理由のひとつには、漢字を使っている中国や日本が、ことばや文字の上で世界的にいうと孤立化を深めてゆくのではないかという心配があるからです。このままでゆくとおそらく英語が世界共通語の中心となって、漢字を持つ語が世界に登場する場面が少なくなってしまう。だから、なんとかして漢字をだれにでもわかるように解説をして、孤立化を防ぎたいと思って研究しているわけです。」(『象形文字遊行』P.103)
ネット社会の現代、世界の中のアジアという観点から、漢字の世界を旅してみませんか?
- 展示されている資料もご利用になれます。カウンターの職員にお申し付け下さい。
期間
平成25(2013)年1月19日(土)~平成25(2013)年3月14日(木)
場所
正面玄関前 展示ケース
問い合わせ
千葉県立西部図書館
松戸市千駄堀657-7 TEL 047-385-4133